2024年09月06日
焼杉外壁で後悔したくない方へ!焼杉外壁のメリット・デメリットについて解説
住宅によって用いられている外壁材が異なります。
住宅のリノベーション・リフォームなどを行う際、どの外壁材を用いるか検討することが重要。
住宅に用いられる外壁材の1つに焼杉外壁が挙げられます。
単語自体は聞いたことがあるものの、一体どのような外壁材なのか疑問に感じている方も多いのではないでしょうか?
今回は住宅のリノベーション・リフォームなどで後悔したくない方に向けて、
焼杉外壁のメリット・デメリットなどについて解説します。
外壁材などに興味のある方は一度参考にしてください。
焼杉外壁とはそもそも何か
焼杉外壁は杉板を焼き、表面を炭化させた外壁材です。
愛媛県や瀬戸内海の島々で焼杉外壁が用いられた歴史があります。
住宅で後悔しないために知っておきたい焼杉外壁のメリット
新築住宅の施工・リノベーション・リフォームなどで公開しないためにも、
焼杉外壁に一体どのようなメリットがあるか押さえましょう。
主なメリットは以下の通り。
・優れた耐火性
・ナチュラルな風合いが楽しめる
・立地条件によっては長持ちする
・張り替えを容易に済ませられる
・断熱性に優れている
・重量による負荷を軽減できる
・洋風住宅・和風住宅に馴染む
・林業の活性化に貢献できる
・廃番がない
ここでは、焼杉外壁の各メリットについて解説します。
住宅のメンテナンスを行う際の参考にしてください。
優れた耐火性
焼杉外壁は耐火性に優れているのがメリット。
火災が発生した際、火が燃え広がりにくいです。
ナチュラルな風合いが楽しめる
ナチュラルな風合いを楽しめるのも焼杉外壁のメリットに挙げられます。
木目やランダムな色合いだけでなく、年数の経過と共に変色するのも特徴の1つ。
炭独特の光沢や陰影を楽しみたい方は一度チェックしてはいかがでしょうか?
立地条件によっては長持ちする
焼杉外壁は炭化作用により、防虫・防腐性に優れています。
乾燥しやすい場所だと、50年以上長持ちする場合もあります。
炭化部分があると塗装が不要になるため、住宅のメンテナンスにかかる費用を抑えられるのもポイント。
張り替えを容易に済ませられる
張り替えを容易に済ませられるのも焼杉外壁のメリットです。
メンテナンスする際、傷んだ部分を交換するだけで済みます。
断熱性に優れている
焼杉外壁は熱伝導率が低く、断熱性に優れているのもポイント。
触れても熱くなりにくいので、新築住宅の施工・リノベーション・リフォームなどを行う際は焼杉外壁を用いるか検討してください。
重量による負荷を軽減できる
焼杉外壁は軽量かつ丈夫なのもメリットに挙げられます。
躯体にかかる負荷を軽減できます。
洋風住宅・和風住宅に馴染む
横張りにすれば洋風な仕上がりになるのに対し、縦張りにすると和風な仕上がりになります。
洋風住宅・和風住宅のどちらにも馴染むため、
新築住宅の施工・リノベーション・リフォームなどに用いる外壁材に迷っている方は焼杉外壁を検討してください。
林業の活性化に貢献できる
焼杉外壁は自然素材のため、環境負荷が低いのもメリットに挙げられます。
日本の木材を用いることで林業の活性化に貢献できます。
廃番がない
焼杉外壁はメーカー製品ではないため、廃番がないのもメリット。
外壁材を選ぶ際、廃番が心配だと感じている方も多いのではないでしょうか?
住宅で後悔しないために知っておきたい焼杉外壁のデメリット
新築住宅の施工・リノベーション・リフォームなどで後悔しないためにも、
焼杉外壁のデメリットについて押さえる必要があります。
主なデメリットは以下の通りです。
・手で触ると汚れる
・変形する場合がある
・木目・色彩にバラつきがある
・カビ・藻などが発生する場合がある
・地域によっては焼杉外壁を使用できない
・施工にかかるコストが高い
・納期に時間がかかる可能性がある
ここでは、焼杉外壁を住宅に用いる際のデメリットについて取り上げるので、
住宅について関心のある方は一度チェックしてください。
手で触ると汚れる
焼杉外壁の表面は炭のため、手で触ると汚れてしまいます。
住宅に焼杉外壁を用いる際は寄りかからないようにしてください。
また、洗濯物を干す場所を検討しましょう。
焼杉外壁に洗濯物が触れると、汚れてしまう可能性があります。
変形する場合がある
乾燥などにより、割れ・反り・ねじれなどの変形が起きる場合があるのも焼杉外壁を用いるデメリット。
気になる部分を見つけた際は補修を行わなければなりません。
木目・色彩にバラつきがある
焼杉外壁は自然素材のため、材質が不均一です。
木目・色彩にバラつきがあることを理解した上で新築住宅の施工・リノベーション・リフォームなどを行ってください。
カビ・藻などが発生する場合がある
湿気が多いと、カビ・藻などが発生しやすくなります。
住宅が湿気の多い場所に建っている場合、焼杉外壁以外の外壁材も検討してください。
地域によっては焼杉外壁を使用できない
外壁に木材を用いる際、建築基準法に配慮することが重要です。
準防火地域・防火地域・法22条指定区域が指定されている場所で使用できない可能性があるのもデメリット。
焼杉外壁の下地を防火性のある構造にしなければなりません。
準防火地域・防火地域・法22条指定区域で焼杉外壁を用いる際は業者に一度相談することをおすすめします。
新築住宅の施工・リノベーション・リフォームなどで後悔しないためにも、業者から適切なアドバイスを受けましょう。
施工にかかるコストが高い
杉板を1枚ずつ取り付けなければならないため、施工にかかるコストが高くなる可能性があるのに注意が必要。
納期に時間がかかる可能性がある
焼杉外壁は基本的に受注生産です。 納期に時間がかかる場合もあります。
焼杉外壁の納期も配慮してください。
焼杉外壁とは一体どのように作られるのか
焼杉外壁は一体どのように作られるのか疑問に感じている方も多いのではないでしょうか?
外壁材によって製造方法が異なります。 焼杉外壁の製造方法として、以下の2つが挙げられます。
・手焼き
・バーナー焼き
ここでは、焼杉外壁の製造方法について解説するので、外壁材に関心のある方は参考にしてください。
手焼き
手焼きは杉板を三角形の筒状に縦置きした後、内側から焼き上げる製法。
杉板の表面を焼きつけることができるのに加え、厚い炭素層を形成できるのが特徴です。
手間がかかるのがデメリットに挙げられます。
バーナー焼き
バーナー焼きは工場でベルトコンベアに乗せた杉板をバーナーで焼き上げる製法。
大量生産しやすいのがメリットです。
手焼きに比べて炭化層が薄いので、耐久性が劣る点に注意しなければなりません。
焼杉外壁を住宅に用いるかどうか判断するポイント
多くの方が焼杉外壁を住宅に用いるかどうか迷っているのではないでしょうか?
新築住宅の施工・リノベーション・リフォームなどで納得のいく施工を行う際、用いるか判断するポイントを押さえるのが重要。
主な決め手は以下の通りです。
・住宅のコンセプト、テーマ
・どのくらいの予算を用意できるか
・住宅の立地条件
・焼杉外壁を用いた住宅の施工事例
・メンテナンスの負担を軽減したいか
・周囲の景観を損なわないか
ここでは、焼杉外壁を住宅に用いるかどうか判断するポイントについて解説します。
住宅のコンセプト・テーマ
新築住宅の施工・リノベーション・リフォームを行う際、住宅のテーマ・コンセプトを明確にしてください。
住宅のテーマ・コンセプトにより、デザインが変わってきます。
焼杉外壁を用いる際、住宅のテーマ・コンセプトに適しているかどうか判断しましょう。
また、住宅のコンセプト・テーマを明確にする際、家族から意見を聞くことをおすすめします。
家族がどのような住宅に住みたいかだけでなく、
メンテナンスや間取りなどの悩みを汲み取った上で施工を進めていく必要があります。
どのくらいの予算を用意できるか
新築住宅の施工・リノベーション・リフォームにかけられる予算を踏まえ、
焼杉外壁を用いるかどうか判断するポイント。
予算によっては、別の外壁材も選択肢に入れることをおすすめします。
住宅の立地条件
住宅の立地条件も焼杉外壁を用いるかどうかの決め手になります。
準防火地域・防火地域・法22条指定区域に指定されている場合、別の外壁材もチェックしてください。
焼杉外壁を用いた住宅の施工事例
SNSなどで焼杉外壁を用いた住宅の施工事例を一通りチェックするのも
新築住宅の施工・リノベーション・リフォームを行う上で重要です。
InstagramなどのSNSに投稿されている焼杉外壁を用いた住宅の写真に目を通し、
焼杉外壁を用いるか判断してはいかがでしょうか?
メンテナンスの負担を軽減したいか
メンテナンスの負担を軽減したいかどうかも焼杉外壁を用いるかどうかの判断基準。
外壁材によって耐久性が異なります。
焼杉外壁は傷みにくいので、メンテナンスしやすいです。
長期にわたって住み続けるかどうかを踏まえ、外壁材選びを行いましょう。
周囲の景観を損なわないか
周囲の景観を損なわないかどうかも焼杉外壁を選ぶ決め手。
新築住宅の施工・リノベーション・リフォームなどを行う際、周囲の景観をチェックする必要があります。
使用する外壁材や塗料の色などによって、周囲の景観が損なわれてしまうかもしれません。
また、区市町村が定めている景観法に違反していないかどうかも外壁材を選ぶポイントです。
景観法は地域によって異なります。
外壁材には一体どのような分類があるのか
新築住宅の施工・リノベーション・リフォームなどを行う際、外壁材の分類を押さえておくことをおすすめします。
各分類の特徴を踏まえ、納得のいく施工を行いましょう。
外壁材の分類は以下の通り。
・板張り
・塗り壁
・金属系サイディング
・窯業系サイディング
ここでは、板張りなどの特徴について解説します。
板張り
板張りは木目の美しさを楽しめるだけでなく、断熱性に優れています。
焼杉外壁は板張りの1種です。
焼杉だけでなく、木材塗装や薬剤含浸で木材の腐食などを対策するのが特徴。
住宅のコンセプト・テーマに応じて、木材塗装や薬剤含浸も検討してください。
塗り壁
塗り壁は現場で生成したモルタル・漆喰などを左官工事で仕上げます。
耐火性・耐水性に優れているのがメリットに挙げられます。
独特の質感が得られるのもポイント。
汚れが目立ちやすいので、こまめにメンテナンスを行わなければなりません。
また、ひび割れが起きやすいのもデメリットです。
職人の技術によって仕上がりが変わるため、塗り壁の施工に慣れている業者に依頼する必要があります。
金属系サイディング
金属系サイディングは、鋼板・アルミ・ステンレスなどの金属板の裏面に発泡樹脂を裏打ちした外壁材。
断熱性に優れています。
また、強度に優れているのもメリットに挙げられます。
施工にかかるコストが高くなるのに加え、施工技術者が限られている点に注意しなければなりません。
サビや塗装の剥がれが起きていないかチェックし、適切なメンテナンスを行ってください。
窯業系サイディング
窯業系サイディングはセメントを主原料にした外壁材を指します。
窯の中で高熱処理されることから窯業系サイディングと呼ばれています。
多くの住宅に用いられている外壁材の1つ。
新規住宅の施工などにかかる費用を安く抑えられます。
また、耐火性に優れているのも窯業系サイディングのメリットです。
カラーバリエーションが豊富なので、住宅のコンセプト・テーマに合った色があるかどうかチェックしてはいかがでしょうか?
水を含みやすいので、定期的にメンテナンスを行い、住宅の不具合を解消しなければならないのがデメリットです。
焼杉外壁取り扱っているメーカー
焼杉外壁を取り扱っているメーカーは複数存在します。
新築住宅の施工・リノベーション・リフォームなどを行う際、
外壁材を取り扱っているメーカーについて知りたいと感じている方も多いのではないでしょうか?
ここでは、焼杉外壁を取り扱っているメーカーを紹介するので、気になる方は一度チェックしてください。
共栄木材
共栄木材は焼杉の工場生産を日本で最初に始めたメーカー。
関西圏にマーケットを拡大させています。
モダンな建物の外壁に共栄木材の焼杉外壁が用いられている場合があります。
販売されている焼杉外壁は以下の4種類。
美杉 クロ クロ塗装 モダンブラック 受注生産のため、注文を受けてから焼杉外壁を製造します。
納期は通常2~3週間かかります。
数量・受注状況によって納期が変わるため、注文する際は注意が必要。
中本造林
中本造林は山林経営から木製品の製造・販売まで行っているメーカーです。
焼杉を工業製品化し、全国規模の流通ルートに乗せています。
広島県の工場と徳島県の工場で製造。
焼杉材のシェア率は約40%です。
施工後の収縮を軽減するため、時間をかけて杉を乾燥させているのが特徴に挙げられます。
乾燥させた後、倉庫の中で杉を養生。
木材加工に最適な含水率に仕上げます。
また、色艶が良い木表を使用面としているのも中本造林の特徴です。
羽毛立ちが出にくいのに加え、耐久性にも優れているのがメリット。
また、焼杉材を作る際は柔らかい部分をワイヤーブラシで磨き、木目の硬い部分を浮き立たせています。
焼杉外壁の種類が複数存在するので、気になる方は中本造林の外壁材を一度チェックしてください。
トゥモローズウェイ株式会社
トゥモローズウェイ株式会社は焼杉外壁の製造・販売に携わっているメーカー。
長野県駒ヶ根市に本社があります。
炭化層の厚さを確保するため、手焼きを採用しています。
オンラインショップも運営しているので、気になる方は一度チェックしてはいかがでしょうか?
天龍焼杉
天龍焼杉は焼杉外壁を作る際、手焼きで行っています。 天竜川流域の植林された杉を用いているのも特徴に挙げられます。
取り扱っている商品は以下の通り。
・天龍焼杉 平板
・天龍焼杉 押え縁
天龍焼杉 平板は1枚1枚こだわって焼き上げています。
天龍焼杉 押え縁は焼杉板のつなぎ目に用いられます。
焼杉外壁の施工を行う業者を選ぶポイント
焼杉外壁を用いた施工で後悔しないためにも、信頼できる業者を見つけることが重要。
人によっては、一体どの業者に任せれば良いか悩んでいるのではないでしょうか?
業者を選ぶ主なポイントは以下の通りです。
・過去の施工事例
・在籍しているスタッフ
・スタッフの対応が適切か
・見積書に記載されている内容
・保証内容が充実しているか
ここでは、業者を選ぶ際のポイントについて解説します。
過去の施工事例
気になる業者を見つけたら、焼杉外壁を用いた施工を行った経験が豊富かどうかチェックしてください。
施工の写真をはじめ、施工内容や工期、費用などを把握し、納得のいく施工を行うかどうか判断することになります。
在籍しているスタッフ
どのようなスタッフが在籍しているかも選ぶ決め手。
公式サイトに掲載されているスタッフのプロフィールから取得している資格などをチェックし、
納得の施工を行うか判断してください。
スタッフの対応が適切か
相談・見積りなどにおけるスタッフの対応が適切かどうかを踏まえ、契約を進めていくことになります。
専門用語を多く用いていないかどうかだけでなく、契約を急かさないかどうかチェックしましょう。
業者によっては、費用や施工内容などについて説明する際に分かりやすい言葉を用いています。
見積りなどで分からない言葉が出てきた際、質問することをおすすめします。
見積書に記載されている内容
見積書に記載されている内容も業者を選ぶ決め手。
使用する部材をはじめ、部材の数量や単価、費用の内訳、費用が相場の範囲内かどうかなどを細かくチェックし、
納得した上で契約を進めていきます。
見積書に記載されている内容について分からない部分がある場合、業者に質問してください。
トラブルを避けるためにも、疑問を解消することが重要です。
保証内容が充実しているか
焼杉外壁を用いた施工を行った後も住宅のメンテナンスを行わなければなりません。
業者によって、保証内容が異なる点に注意が必要です。
定期点検をいつ行うかなどをチェックした上で相談することをおすすめします。
まとめ
焼杉外壁を用いた施工で後悔しないためにも、住宅のテーマ・コンセプトなどを検討することが重要。
耐火性や断熱性が優れているなどのメリットがあるのに対し、
施工にかかる費用が高額になるなどのデメリットがあるのに注意しなければなりません。
外壁材によって、住宅の雰囲気が変わってきます。
新築住宅の施工・リノベーション・リフォームなどを予定している方は、信頼できる業者に一度相談してください。
この記事を書いた人
成田 崇
- 瓦ぶき2級技能士
- 瓦屋根工事技士
- 瓦屋根診断技士
【趣味】サーフィン・山登り・バックカントリースキー・読書・旅行
〇かわらぶき2級技能士とは?
瓦屋根工事に必要な知識と施工技術を備えていることを証する資格で、瓦職人にとって欠かせない国家資格です。 試験は学科試験と実技試験で構成されており、実技試験では実際に一文字軒瓦または万十軒瓦を使った瓦葺き作業を行い受験者の施工レベルを審査します。
〇瓦屋根工事技士とは?
国土交通大臣が認定する資格で屋根工事に従事する者として必要な瓦屋根についての適正な知識を備えていることを証する資格です。 この資格取得では屋根の施工に関する知識はもちろんのこと、建築に関わる知識、安全に関する知識、法規等、さまざまな知識が求められます。
〇瓦屋根診断技士とは?
国交省所管の公益法人(社)全日本瓦工事業連盟(全瓦連)が高い技術、技能を持つ工事技術者に対してのみ与える資格です。 この資格の取得条件はかわらぶき技能士と瓦屋根工事技士の両方の資格を備えた者となっており、国内の瓦屋根工事技術者における最上位資格といえます。